私は音楽が好きだ。好きで好きでしようがない。特にクラシックが好みだ。小さい頃から音楽を寝る間も惜しんで聴いていた。そのせいか友達は少ない、というかいない。音楽が好きな人たちは大勢いたが、その人たちは人付き合いを音楽より大事にしていた。ありえない。音楽を聴く時間が損なわれるなんて。だから私は無視した。他人と関われば関わるほど音楽を聴く時間が奪われる。だから学校もいかなかった。親も仕事が忙しいのかあまり私に心を使わなかった。その環境がとても私には心地よかった。

…嫌な予感しかしない。あいつから電話がかかってきた。あいつには家族がいない。そして友達も親戚も。…で、なぜか腐れ縁の私に毎回面倒がかかる。…はぁまたあいつのしょんぼりした顔と警察のなんとも言えない呆れた様な顔を見なくちゃならないのか…はぁ。これも運命かな

私はある意味不死なのかもしれない。もういつ生まれたかは覚えていないが、私の中の記憶は何度肉体が果てようとも残ったままだ。…そして覚えている。この身体を。そしていつ、どこで、何が起こるか全て知っている。…いや、覚えている。遥か昔に同じ事があった。そして私は気付いた。この世界は何度も繰り返されているのだろう。

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